ホーム エポキシのブログトップ ウッドカヌーのサイト  エポキシのサイト  木工のサイト

エポキシのブログ

シルバーチップエポキシの硬化時間について

シルバーチップエポキシの詳細ページへ シルバーチップエポキシの硬化時間について次のような質問がありました。
似たような質問がときどき寄せられますのでこの場をかりて硬化時間について書いてみたいと思います。
以下が質問文です。

永瀬様
今日商品が届いたので、早速ルアーに塗ってみました(シルバーチップエポキシ300mlセット(硬化剤:ファースト)
私は趣味で渓流用の小さなルアーを自作しております。 渓流のルアーは岩などで表面コートの割れや傷が激しいのですが、塗膜を厚くすると動きが鈍くなるというジレンマがあります。
いろいろ試したのですが、セルロースは割れるし、ウレタンは割れには強いのですが、傷つきが早く、試行錯誤で行き着いたのが、エポ接着剤をドライヤーで軟化させて筆塗りという手間のかかる方法でした。
ネット検索して今回購入させていただきましたが、今回購入した塗料は筆塗りに丁度良い粘度だと感じました。光沢はすばらしいですね。耐久性については、カヌー用という事でこれ以上のものは無いものと思います。満足しております。ゲル化の早いのには驚きました。次は硬化剤スロータイプにしようかと思っております。
エポキシ塗料を使うのは初めてなので、よろしければ、2点ほど教えていただきたいことがあります。
30mlで混合し、筆塗りを行ったのですが、容器内の塗料と、塗布済みの塗膜硬化時間に差がありました。(容器内のほうが早い)
容器内の塗料はもう固まっているのですが、塗布した方はまだ柔らかい状態です。これはこの塗料の特性なのでしょうか?
又、ゲル化が始まると、容器内の塗料が発熱し、煙が出ました。これもこの塗料の特性なのでしょうか?

塗装時の条件は、以下のとおりです。
気温:20度くらい/天候:雨
作業:屋内
容器:写真用フィルムケース位のポリ容器
攪拌:へらで100回程度
塗装対象:ラッカー系クリア塗装面(乾燥済み)足付けは行いませんでした

長々と書き連ねてしまいましたが、以上2点について、ご教授願えれば幸いです。


という岩手県のSさんからの質問です。
まず、私の名前が正しく「永瀬」となっているのがいい(*^_^*)
間違えて「長瀬」と書く人がなんと多いことか・・・
名前を間違う人には「丁寧にお答えしよう」という気も萎えます・・・
相手の名前を間違えるのは大変失礼なこと。注意しましょう。
それに、文章が丁寧でわかりやすい。こういった質問には私もできるだけ丁寧に答えてあげましょうという気になるものです。

さて、本題です。

塗布したエポキシと容器の中のエポキシの硬化時間が異なるという質問。
結論から言いますと、「塗布したエポキシの硬化時間」は正常、「容器の中のエポキシの硬化時間」は正常なものではないということです。

まず、エポキシの基本的な性質を知っておく必要があります。
・エポキシの硬化反応は発熱を伴うということ。
・エポキシの硬化は温度が高くなるほど速くなるということ。
この2点を押さえておきましょう。

「容器の中のエポキシが発熱し煙が出た」という状態は、いわゆる「過熱(ヒートアップ)」という状態です。
硬化反応時に発生する熱がエポキシ樹脂の内部にたまっていきます。発熱によって硬化速度がさらに速まります。硬化が速まるとさらに発熱します。
このように悪循環を繰り返し加速度的に反応が進むために起こります。
エポキシは正常に硬化せず熱により分解します。沸騰したように沸き上がることもあります。煙が出ることもあります。この煙は有害なので吸い込まないように注意してください。

ヒートアップが起こる原因は次のようなものが考えられます。
・混合量が多すぎる
・硬化剤の使用適温に対して気温が高すぎる
・長時間容器に入ったままになっている
・熱が逃げにくい容器を使っている(保温性の高い発泡スチロールなど)
・外部から熱を受けている

では、ヒートアップが起こらないようにするにはどうするか?
逆を考えればよいのです。
・一度に大量に混合しない
・気温に合った硬化剤を使う
・長時間容器に入れたままにしない(ときどき全体をかき混ぜて中心に熱がたまらないようにする)
・熱が逃げやすい容器を使う(薄いものがよい。保温性の高い発泡スチロール容器などは使わない。)
・外部から熱を与えない(日光や照明の当たらない所に置く。容器を手で握り締めて持たないなど)
・混合後にバットの様な浅い容器に移す。エポキシの表面積および容器に接する面積を大きくすると、エポキシの中に熱がたまることはほとんどなくヒートアップはほとんど起きません。

ヒートアップは混合時だけでなく施工後にも起こりえます。
フィラーを混ぜたパテを大量に充てんする時などは注意が必要です。大量な充てんは数回に分けて作業するとよいでしょう。

ヒートアップは気温の高い時期に起きやすくなりますので注意しましょう。夏場は気温の高い時間帯を避けて朝や夜に作業するのも手です。

注意さえしておけばヒートアップは滅多に起こるものではありません。私はエポキシを使い始めて10年以上になりますが、ヒートアップは3、4回経験しただけです。
ちなみにヒートアップはエポキシ樹脂だけではなくポリエステル樹脂でも起こります。


このようなエポキシの性質についてはマニュアル本で詳しく解説しております。
特性や性質を知ることでエポキシの扱いはより上手になります。興味ある方はどうぞ。
「アマチュアボートビルダーのためのエポキシ使いこなしマニュアル」がおすすめです。
マニュアル本はこちらで販売しています。
「マニュアル・書籍の販売」

シルバーチップエポキシについての詳細ページ


ホーム エポキシのブログトップ ウッドカヌーのサイト  エポキシのサイト  木工のサイト

Hiro Wooden Canoe Shop
Copyright(C)2001-2010.Hironori Nagase