エポキシのブログ木材への浸透性をテストしてみたよく質問されます。「エポキシは木材にどれくらい染み込みますか?」と。これも答えるのが難しい質問です。 木材の種類によって違うのはもちろんですが、木口、板目面、柾目面でも全然違ってくる。 もちろんエポキシの種類によっても違う。 エポキシの粘度が小さいほうがよく染み込むだろうし、同じ粘度ならばゲル時間の長いほうがよりよく染み込むだろう。 また、温度によっても左右されます。温度が高いほどエポキシの粘度は小さくなるのでよく染み込むでしょう。 というわけで実験してみました。 <テストの方法> いろいろな木材にエポキシを塗布してどれくらい染み込むかを調べます。 硬化した後に切断して断面を見てみます。 木材は、杉、ホワイトアッシュ、レッドオークの3種類を用意しました。 使用したエポキシは、 「クリヤーコート」です。 見えやすいように、緑色の 着色剤でエポキシに色を付けました。 木口は、エポキシが横から流れ落ちないようにマスキングテープで囲いました。 テスト日:2008年7月31日 気温:30℃ 「ス」と「ス2」は杉、「ア」はアッシュ(ホワイトアッシュ)、「レ」はレッドオーク
■ 杉の木口の場合木口にエポキシをたっぷり塗ります。染み込んできたらさらに塗ります。染み込まなくなるまで塗り続けます。約10分後くらいで染み込みはほとんど止まりました。硬化後に切断してみると木材の春材(白くて軟らかい部分)に染み込んでいるのが分かります。最大で表面から6.5mmくらい染み込んでいました。 秋材(色の濃い部分)は堅くて緻密なのでエポキシはほとんど染み込んでいません。
■ 杉の柾目面と板目面の場合エポキシを塗ってもどちらもあまり染み込みません。硬化後に切断してみても、ほとんど染み込んでいません。表面にわずかに染み込んでいる程度です。
■ ホワイトアッシュの木口の場合木口にエポキシをたっぷり塗ります。染み込んできたらさらに塗ります。染み込まなくなるまで塗り続けます。はじめからあまり染み込みはありませんでした。硬化後に切断してみると導管に染み込んでいるのが分かります。最大で表面から6mmくらい染み込んでいました。 材自体が堅いせいか以外に染み込んでいませんでした。
■ レッドオークの木口の場合木口にエポキシをたっぷり塗ります。染み込んできたらさらに塗ります。染み込まなくなるまで塗り続けます。レッドオークは導管が大きいので、導管にエポキシがよく染み込んでいきます。おどろいたことに、3-4分後には材を貫通して下側からにじみ出てきました。ちなみに材の長さは55mmでした。 硬化後に切断してみると導管を上から下まで流れていたことが分かります。当然のことながら、導管は切断面と平行になっているわけではなく曲がりくねっているので緑色の部分もとぎれとぎれになっています。
<さいごに> どうでしょう。上のテストを見ると木材の種類や場所によって染み込み方が全然違うということが分かると思います。 また、木材にできるだけ深くまで染み込ませるにはこういう方法もあります。 木材を温めてからエポキシを塗布する。こうすると塗布したエポキシも温められて粘度が小さくなってよく染み込みます。特に気温の低い冬期に有効な方法です。 または、塗布したエポキシにヘヤードライヤーやヒーティングガンで温風をあてて温めてやると同様に粘度が下がってよく染み込みます。ただし、あまり急激に温めるとすぐにゲル化してしまうので注意が必要です。木材自体を温めることと併用すれば効果はさらにアップするでしょう。 別の方法ですが、圧力をかける。これはDIYレベルではなかなか難しいかもしれません。木材に防腐剤を染み込ませるときなどに使われる方法です。
Hiro Wooden Canoe Shop
Copyright(C)2001-2010.Hironori Nagase |