GIMER-STICK

エポキシのブログ

エポキシのハジキ

「ハジキ」とは

「ハジキ」とは拳銃の俗称である・・・

じゃなくて、ここでいう「ハジキ」とは塗装の欠陥のことで、塗料が被塗面に均一に付着せず大きな穴やくぼみができる現象をいいます。

「エポキシを塗ったらはじいてうまく塗れません。」といった問い合わせが時々あります。
ほとんどのばあいルアーを作っている人です。
通常、ルアーはラッカー塗料などで塗装した上にエポキシを塗ります。その時にハジキができるというのです。

ハジキの原因はさまざまです。

主なところをちょっとあげてみましょうか。

  1. 被塗面に水、皮脂、油、グリス、ワックス、シリコンなどのハジキ原因物質が付着している。
  2. 塗料にハジキ原因物質が含まれた状態で塗装した。
  3. 塗装後に塗膜表面にハジキ原因物質が付着した。
  4. 被塗面がそもそもハジキやすい。

それぞれ詳しく見てみましょう。

(1)被塗面に水、皮脂、油、グリス、ワックス、シリコンなどのハジキ原因物質が付着している。

よくありがちな失敗原因です。
被塗面を素手で触っていませんか。指先にも皮脂は付いています。
ゴム手袋などをして素手で触らないようにしましょう。
手袋で汚いものを触らないように。手袋が汚れていたら意味ない。

塗装前には、被塗面を脱脂しましょう。
アルコール、シンナーなどをきれいな布あるいはペーパータオルに浸して拭きます。
使い古しの衣類は要注意です。柔軟剤にはシリコンが含まれている場合もあります。きれいにしているつもりがシリコンを塗り付けていることにもなりかねません。
脱脂したら溶剤は完全に乾燥させます。できるだけ間を空けずに塗装します。せっかく脱脂しても、長時間放置すると空中に漂う細かい ハジキ原因物質のダストが付着するかもしれません。

(2)塗料にハジキ原因物質が含まれた状態で塗装した。

なんらかの原因で、はけや混合容器、混合ヘラなどの塗装器具にハジキ原因物質が付着していた。
対策としては、道具や器具の管理をしっかりとすること。

(3)塗装後に塗膜表面にハジキ原因物質が付着した。

空気中にはいろいろな小さな物質が漂っています。
ほこり、研磨かす、塗料のミスト、車の排気ガスに含まれる粉じんなどさまざまです。
そのような異物が乾燥していない塗膜表面に付着すると、表面張力が不均一になりハジキやへこみ、クレーターなどが起こります。
ほこりが舞わないように注意しましょう。 また、近くに工場や自動車修理工場などがある場合、塗装ミストや粉じんが風に乗って飛んでくることもあります。また、クリーニング店では撥水剤が使われています。これも風に乗って飛んでくることもあります。

(4)被塗面がそもそもハジキやすい。

根本的な問題です。
ハジキやすいもの、たとえばつやのあるプラスチックやポリエチレンなどは非常に濡れ性が悪く塗料ははじかれてしまいます。
こういった場合は特殊な表面処理をすることで濡れ性を良くし塗装性を改善することも可能です。
また、異種の塗料の塗り重ねは注意が必要です。
ルアーの下塗りにラッカー系の塗料を使う人が多いと思いますが、実はラッカーとエポキシは基本的にはそれほどなじみはよくありません。
(ラッカーは熱可塑性樹脂塗料。エポキシは熱硬化性樹脂塗料。塗料系が異なるためです。)
ですから、つやのあるラッカー塗料の上にエポキシを塗るとハジキが出る場合があります。
これについては基本的な相性の問題なので根本的に解決する方法はないと思います。

一般的につるつるした表面はハジキやすいので軽く研磨すると濡れ性がよくなります。
また、つや消し塗料の方が塗れ性がよいのではじきにくいようです。

エポキシは粘度が大きいため、通常、塗ってからしばらくしてからハジキが発生します。
ハジキができたら刷毛でならすとハジキを消すことができます。

フッ素樹脂加工されたフライパン

写真はフッ素樹脂加工されたフライパン。
フッ素樹脂は非常に濡れにくい物質です。
水を入れるとはじかれます。
ものがくっつきにくいので料理には好都合です。
でも、これに塗装するのは非常に困難です。また、これにものを接着するのも困難です。